投扇興について
Tosenkyo
庶民から生まれた優雅な遊び、投扇興。
扇を投げて的を落とす・・・優雅な日本の伝統遊戯、 投扇興。イメージとしては平安王朝的な雅を感じさせ、古いゲーム と思っている人もいるようですが、実は江戸時代に庶民か ら起こり、庶民の間で流行った遊びです。 台の上に蝶と呼ぶいちょう形の的を立て、1メートルほど 離れた所にすわり、開いた扇を投げてこれを落とし、扇 と的の落ちた形を源氏54 帖になぞらえた図式に照らして 採点し、優劣を競います。 源氏物語形式の他にも、百人 一首形式など全国にさまざまな遊び方があります。
安永2 年(1773)の「投扇興図式」の序によると、投 扇興は京都に起こったものと伝えられています。別の「武 江年表」という文献には大阪発祥とする説もあります。 そ して、この遊びの発想の根元は、中国から伝来した投壺 (とうこ、つぼうち)という遊戯だといわれています。